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探索82.5日目


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ハイダラ(310)からのメッセージ:
ハイダラ「やあ、ファーガス。こんばんは。なんだか妙に長い夜だ」
「……全く、妙な空気だ。島中が、妙な……。(辺りを窺うように、ちらと視線を流して)……不思議な事だね。……ああ、元気だった? 随分ご無沙汰してしまったから、気になっていたんだ。どうにも不義理で申し訳ない。(男は深々と頭を下げた)」

ハイダラ「ほら、カディムも良く謝っておくように」

(ハイダラがそう言っているうちに、いつの間にか背の高い黒髪の男が側に立っていた)

カディム「先だっての御目通りの際は大変お世話になりました。過分なお褒めの言葉を賜り、誠に勿体ない事でございます。(深々と礼をしてから、僅かに唇を開き)……失敗談に関しては、勿論、……こっそりと、お話し致しましょう。楽しんで頂ける事と存じます。(極々小さな声は微かに笑み混じり)」

カディム「(その後、改まったように表情を引き締め、すっと背筋を伸ばし)……。(濃紺に金の欠片の散る、夜空のような瞳でファーガスをじっと見つめながら)」

カディム「ハイダラ様、少々お時間を頂きたく存じます。わたくし、ファーガス様へ、伝言を言付かって参りました。(ハイダラの前では常にしもべの身分を弁えている絨毯が、珍しく、静かながら決然とした口調で宣言)」

(ハイダラはほんの少し驚いたような顔をしたが、こちらも珍しく、何を尋ねる事もなく、咎める事もなく、頷いた)


カディム「……逃げるな。大丈夫だから。貴方が思っているほど、難しい事じゃない」


カディム「……。(低く落ち着いた声音。静かな口調でそれだけ告げて、カディムは胸に手をあて、深く頭を下げた)」

(様子を見守っていたハイダラが、ファーガスに向き直る。琥珀色の瞳が、硝子のような青色の瞳を見つめ)

ハイダラ「……私は、いつでも、いかなる時でも、君の友達だ。たとえ、君が敵のただ中に有ろうとも、君が誰かから弾劾されていようとも、君が立ち尽くしていようとも、君が倒れ臥していようとも、君が諦念と寂寞にあろうとも、私は君の友達だ」

ハイダラ「……たとえ、君が君を嫌う時でも、ファーガス、私は、君を好いているよ」

ハイダラ「ただ、確りと身近にいる事……。……身近というのは、物理的な距離だけを問うものではない。そう思う」

ハイダラ「……ただ、確りと、身近にいる事……。よい事を教えてもらった。ありがとう、ファーガス」